HOME > 「坂の上の雲」ライバル伝 > 秋山真之と広瀬武夫 > 二人の出会い
この二人が、互いに心の底まで打ち明けて親しくつきあう仲になったきっかけは、八代六郎大将の仲介によるものでした。
八代大将は二人の兵学校時代の教官でした。
八代大将と広瀬とは共に柔道好きであったので、八代大将の独身時代はその家を道場のようにしてドッタン、バッタンやっていました。そんな関係で八代大将は広瀬をこの上なく愛していたし、勢い、八代大将を介し、八代大将を中心として両雄相結ぶようになったのでした。
秋山真之は、同輩には常に優越を感じていたので、対等の気持ちで交際することが少なかったが、上級の広瀬武夫とは全く相信頼し相尊敬しあうのです。
二人は四谷で一戸を借りて同棲していた事もあり、何しろ豪快そのもののような二人の合宿であったから、その生活は乱暴極まるもので、カゴの中に幾日分ものパンを入れて置いて、それでご飯も炊かねばお茶も沸かさず、パンと水ばかりで生活するというような有様でした。
二人の住居の真向かいの屋敷の女中は、
「広瀬さんはという方は顔が恐ろしくて武張った人であるけれども、つきあって見ると案外優しい人で近づきやすいが、秋山さんという方は、顔はそれほどでもなく、背も低いが、何となく恐ろしくて近づきにくい人でした。」
と云っていたそうです。
また、秋山が郷里伊予から母をよんで、芝の高輪車町に家を構えた時は、広瀬もときどき遊びには行き、在る時二人で雑煮の食べ比べ競争をしたことがあります。 この時は21杯平らげた広瀬に軍配が上がっています。
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