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ぶしどう【武士道】
近世以降の武士階級独特の倫理。
新渡戸稲造の英文著書「武士道」に代表されるように、武士の道徳そのものをさす言葉として一般化するのは近代に入ってからである。
近世ではまだ道徳論の段階であり、戦国期以来の武士の道徳を儒教の論理で裏づけしようとする士道論と、その武的な余習を継承しようとする武士道論があった。
前者の代表が山鹿素行「山鹿語類」の「士道篇」であり、君臣ともに儒教倫理にもとづく振舞いを是とした。
後者の代表が山本常朝「葉隠」で、「武士道とは死ぬ事と見付たり」の言葉が象徴するように、主従関係を中心に善悪・正不正をこえた捨身を強調した。
しかし根底では両者とも通じるものがあった。
▼新渡戸稲造の「武士道」
原題は「BUSHIDO, The Soul of japan, An Exposition of Japanese Thought」
1899年(明治32年)にアメリカで刊行。
本書の方法的な特色は「頭角を抜いて顕著なる数峰だけを考察し」、それを「ヨーロッパの歴史及び文学からの類例を引いて説明すること」であった。
したがってそこに表現された「武士道」は理念型で、その誕生から近代にいたる歴史的変遷への視点は欠落している。
しかし日露戦争の勝利も手伝って、独・仏・西・露・中の各国語に翻訳され、日本でも英文本と邦訳各種がある。
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