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1862年(文久2年)9月28日、鹿児島藩士海江田信義の長女として生まれる。
父・海江田信義は、夙に尊王の大義を唱え、維新の際には西郷隆盛、大久保利通などと共に、京師を中心として大いに活躍し、戊辰の役には、東海道征討総督参謀となって、縦横の奇略をめぐらして、至るところで大勝を博した。
江戸城引渡しの際には、西郷隆盛と千代田城に乗り込んで、無事にこれを引き受けた。明治20年5月華族に列し、子爵を授けられ、後枢密顧問官に任ぜられた人物である。
てつ18歳頃に、東郷平八郎に嫁ぐ。 東郷は海上勤務が長かったため、この時32歳頃であった。
東郷家の財政はあまり豊かでなかったが、てつは姑と二人でマッチ箱貼りなどをして家計を補い、よくこれを整理して、内助の功を挙げた。覇気満々、殆ど家事について顧みる暇のない東郷平八郎をして、少しも後顧の憂いのないように努めた。
それのみならず、てつは積極的に金策に奔走して、結婚したその年に麹町上六番町七番地に、三百坪の土地を家付きのまま買い取った。後年、さらに三百坪を買い足して六百坪とし、また日露戦争後の明治39年、西洋式の玄関、応接室、食堂などを増築した。
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